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芸達者なアシカが仕切りのないオープンステージに!

「人間の言葉がわかるの?」と思わず聞きたくなるほど、見事なパフォーマンスで観客を魅了するアシカ。クリクリとした大きな目も魅力のひとつでしょう。
サンシャイン水族館では、客席とのあいだに仕切りや柵がないオープンステージで、迫力満点のパフォーマンスを楽しむことができます。

アシカってどんな生き物?

アシカはネコ目アシカ科の海生動物の総称。アシカ科はカリフォルニアアシカ、ガラパゴスアシカ、ニホンアシカの3種とする場合もありますが、これにオタリア、オットセイ、トドを含めることもあります。
ずんぐりむっくりした体型が特徴ですが、移動はとってもスピーディー!水中では時速25~30kmほどのスピードで泳ぎ、潜水も得意です。泳ぐときに使う前肢は自分の体重を支えられるほど強く、後肢は関節で折りたたむことができるため、地上でもアクロバティックな動きを披露することができます。

パワフルに動き回る水族館一の大食漢

アシカは、大きな体を駆使してパワフルに動き回る分、エサを食べる量も多く、サンシャイン水族館では一番の大食漢。イワシやサバなどの魚を主に食べています。エサの量は体重の5%前後ですが、多いときは10kgちかくも食べることがあるのです。
また、アシカは水中でエサを獲り、陸上で繁殖、子育て、休息をする水陸両用の2つの生活スタイルを持ちます。サンシャイン水族館では、水中で悠々と泳ぐアシカの姿と陸地でゆっくり休んでいるアシカの姿を、両方ご覧いただけます。

繁殖期は「ハーレム」で群れを作る

アシカの繁殖は一夫多妻制。一夫多妻制の生き物は、繁殖に適した限られた陸地をめぐってオス同士が激しく競争し繁殖集団を作るため、一般的にメスよりもオスのほうが大きい体になるといわれています。

アシカは繁殖期になると、オス1頭で約30頭のメスや子供を引き連れ、「ハーレム」と呼ばれる群れを作ります。5~6月頃に交尾を行い、約1年の妊娠期間を経て、メスは陸上で1頭の子供を生みます。メスはエサを食べながら約1年にわたって授乳を続け、子育てをします。
その後、メスは3~4歳、オスは5歳前後になると性的に成熟し、繁殖に加わるようになります。

水族館のアシカは野生と違って、歯磨きが必要

水族館のアシカも歯ブラシを使って歯磨きしていることをご存じですか?「野生のアシカは歯磨きなんてしないのに、なぜする必要があるの?」と思う方も多いでしょう。実は、アシカの歯磨きには、歯をきれいにするだけでなく、歯と歯茎を健康に保って歯周病を予防するという目的があります。

野生のアシカがエサを獲るときには、歯を使ってエサをくわえたり、エサ以外の物を噛んだりすることで歯と歯茎に程良い刺激が与えられますが、水族館のアシカはエサを丸飲みするためほぼ刺激がありません。そこで、歯磨きが必要になってくるのです。

歯磨きのコツは、歯茎をマッサージするようにブラシを動かすこと。最初はなかなか歯磨きをさせてくれないアシカたちも、根気強くトレーニングをすると、次第に慣れて口を開けてくれるようになります。

アシカとよく似た生き物たち

「あれはアシカ?それとも…」と迷ってしまうのが、よく似た体型と特徴を持った生き物たち。「見分けがつかない!」という人もいるのではないでしょうか。

アシカは鰭脚類(ききゃくるい/ひれあしるい)に分類される海の生き物です。鰭脚類は、ヒレ状の四肢を持っており、アシカ科、アザラシ科、セイウチ科に分けられます。
アシカ科の仲間にはアシカのほか、オタリア、オットセイ、トドがいますが、体の大きさで見てみると、アシカ科の中で最も大きいのがトドで、2番目がオタリア、オットセイは3番目です。

体の大きさ以外にも、アシカたちを見分ける特徴がありますのでご紹介しましょう。

アシカの体の特徴

まず、アシカの体の特徴を見てみましょう。
アシカは、全体的につるっとしていて、小さな耳たぶのように見える耳介(じかい)があり、正面から見ると両側に飛び出た耳が見えます。後肢を前方に曲げることができ、上半身を起こし、前肢で体を支えることができます。水中では、前肢を羽ばたかせるようにして泳ぎ、陸上では四肢を使って歩きます。

アシカとアザラシの見分け方

アザラシは、アシカと比べて前肢が小さく、後肢を前に曲げることができないため、陸上での動きがとても苦手。陸上を移動するときはイモムシのように這って動きます。そのため、見た目はアシカに似ていても、倒立のようなパフォーマンスをするのには向いていません。
さらに、アシカにはある耳介がありません。水中で後肢を左右に動かして泳ぐところもアシカとの大きな違いです。

アシカとセイウチの見分け方

セイウチは、雌雄ともに生えている2本の立派な牙と、つぶらな瞳が一番の特徴です。アシカと同じように、後肢を前方に曲げて、前肢で体を支えることができます。一方、泳ぐときは、前肢を補助的に使いながら、アザラシのように後肢を交互にかいて泳ぎます。また、セイウチには耳介はありません。

アシカ、アザラシ、セイウチの見分け方のポイント

アシカ、アザラシ、セイウチの簡単な見分け方のポイントは、次のように覚えておくといいでしょう。

  • 陸上での移動が、得意なのがアシカ、苦手なのがアザラシ
  • 水中で、前肢を使って泳ぐのがアシカ、後肢で泳ぐのがアザラシ
  • 牙があるのがセイウチ

サンシャイン水族館で出会えるアシカたち

サンシャイン水族館で出会える、カリフォルニアアシカとオタリアの特徴をご紹介しましょう。

カリフォルニアアシカ

カリフォルニアアシカは北アメリカ西岸に分布し、オスは約270kg、メスは約90kgまで成長します。かつては日本の沿岸にも二ホンアシカと呼ばれる種類のアシカが生息していましたが、アシカ猟での乱獲が進み、絶滅したといわれています。

オタリア

オタリアは、南アメリカの西海岸と東海岸に生息しています。オスは約300kg、メスは約150kgと、カリフォルニアアシカに比べて大きめ。鼻先が太くて短く、やや上向きであること、全体的にがっしりとしたたくましい体つきであることも、見分ける際のポイントです。

世界初の展示方法「サンシャインアクアリング」

屋内から外に出ると、直径約8m、地上約2.3mの高さにあるドーナツ型の水槽「サンシャインアクアリング」の中を悠々と泳ぐアシカの姿が目に飛び込んできます。
サンシャイン60ビルを背景に、お腹や手足を見せながら泳ぐアシカたちは、まるで空を飛んでいるかのよう。エサの時間が近づくと、水しぶきが飛ぶほどの速さでぐるぐると泳ぐこともあります。17時になるとプールに戻ってしまうので、アシカが泳ぐ姿を真下から見られる世界初の展示を楽しむなら昼間がおすすめです。

アシカたちが戻っていくプールの横には、生息地の環境をイメージして作られた「アシカたちの砂浜」水槽があります。岩に上ったり、プールで遊んだりするアシカの無邪気な姿を、じっくりと観察することができます。

出会えたらラッキー!1日数回実施の「アシカのトレーニング」

サンシャイン水族館では「いつでもどこかで何かが起きている水族館!」をテーマに、生き物たちの魅力をたっぷり味わうことができる企画「いきものディスカバリー」を実施しています。
その取り組みのひとつとして、アシカのトレーニング風景を1日に数回、客席との仕切りが一切ない開放的なステージでご覧いただけます。

定番のパフォーマンスは日々の努力の賜物

鼻の上にボールをのせてバランスをとったり、大きな声で元気に鳴いたり…。思わず拍手したくなる技の数々は、日々のトレーニングの賜物。例えば、定番の技である倒立なら、トレーナーの手に鼻先をつけたままホイッスルが鳴るまで待つところから始めて、少しずつ前のめりの姿勢に慣れさせていきます。そのまま、前肢で踏ん張っておしりが浮いたら、姿勢を調整して完成です。
技は、何度も繰り返し、地道に練習して習得していきます。アシカたちの努力を想像すると、パフォーマンスをより楽しめるのではないでしょうか。

息遣いが聞こえる距離で見られるのが魅力

「アシカのトレーニング」では、アシカの息遣いが聞こえるほどの近さだからこそわかることがたくさんあります。
「大きな目の横には小さな耳があり、おしりにはかわいらしい尾がついている」「つるっとしているように見えて、近くで見ると全身が毛で覆われている」といった、アシカの魅力を発見していただくことができるでしょう。

毎日行う健康管理のためのトレーニング

アシカにとって健康管理のためのトレーニングも大切で、毎日行うのが歯磨きです。大きく口を開けて、口内の確認、歯茎のマッサージをします。アシカが虫歯になることはないのですが、歯周病になってしまうことがあるためです。
また、アシカの全身をさわって、傷や嫌がるところがないかを確認します。さわると嫌がるようなときは、外からはわからない部分にケガや病気が隠れている場合があります。

1週間に1度の体重測定をスムーズに

歯磨きのほかにアシカの健康管理として、1週間に1度の体重測定を行っています。アシカは、同じエサの量を与えていても季節によってやせたり太ったりするので、体重を記録して適切な体型を維持できるよう、エサの量を調節しています。

また、必要に応じて、検温、採血、エコー検査、レントゲン撮影をします。針を刺したりするのは獣医師ですが、こうした健康チェックや検査のあいだ、トレーナーはアシカが動かないようにする必要があります。
日頃のトレーニングは、ケガや病気の早期発見のためにも欠かせないものなのです。

「アシカ・パフォーマンスタイム」は水族館の人気イベント

サンシャイン水族館での人気イベントのひとつが、「アシカ・パフォーマンスタイム」。客席との仕切りが一切ない開放的なステージで、1日に数回、アシカとトレーナーが息の合ったパフォーマンスを披露します。
アシカ・パフォーマンスタイムは、360°どこからでも見渡せるので、見る場所を選びません。パフォーマンスの内容は季節ごとに変わるので、毎回違う発見があるのもうれしいポイントです。

  • 現在、「アシカ・パフォーマンスタイム」は休止させていただいておりまが、「いつでもどこかで何かが起きている水族館!」をテーマに、生き物たちの魅力をたっぷり味わうことができる企画「いきものディスカバリー」を実施しています。

珍しいアシカの姿が見られるのはサンシャイン水族館だけ!

砂浜、プール、ステージ、サンシャインアクアリング…。同じアシカでも、いる場所が違えばまた違った姿を見せてくれます。「アシカたちの砂浜」水槽では、アシカがエサを食べる姿を間近で見ながら、飼育スタッフの解説で生態を学べる「アシカ・フィーディングタイム」も開催されています。
都会の空を飛ぶアシカを見て不思議な気分に浸るも良し、砂浜で過ごすアシカを見てその生息地に思いを馳せるも良し…。サンシャイン水族館だからこそ見ることができるアシカの姿を、ぜひ満喫してください。

  • 現在、「アシカ・フィーディングタイム」は休止させていただいております。

飼育スタッフから一言

サンシャイン水族館では、オタリアとカリフォルニアアシカに出会えます。ぱっと見ただけでは違いがわかりにくいかもしれませんが、よく見ると顔つきや体つきがまったく違うので、一度特徴を覚えてしまえば見分けられるようになるでしょう!

また、外見だけでなく、性格も1頭1頭まったく違うのがおもしろいところ。個性豊か、表情豊かなところが、アシカの一番の魅力ではないでしょうか。私たち飼育スタッフにほめられてうれしいときの顔、叱られて落ち込んだときの顔。トレーニングの成果として一生懸命パフォーマンスを披露しているときもあれば、プールで夢中になって一人遊びをしているときもあって、とにかく見ていて飽きません。

サンシャイン水族館はアシカたちとの距離がとても近く、彼らの息遣いまで感じ取ることができます。間近で観察することで初めて発見できる「何か」が、きっとあると思います。